2006年米百俵賞 応募推薦書

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東京片貝会「母校を励ます会」の功績        2006年12月      

米百俵賞

1. 東京片貝会「母校を励ます会」について
    東京片貝会は、新潟県小千谷市片貝町の出身者で関東地域に在住する人達の親睦、融和を図る目的で結成された。その歴史は、大正13年母校の同窓会の設立に合わせ、東京支部として始まった。戦争を挟み一時停止された期間もあったが、昭和34年に再び「東京片貝会」として結成され今日に至っており、平成21年には結成50周年を迎えようとしている。春,秋に会報を発行しており,会員への送付数は800通に及ぶ。
    小千谷市片貝町は、今から約220年前に当時の庄屋や旦那衆が基金を出し合い、村営の学塾“朝陽館・講読堂”を創設、近隣の村々から向学精神に燃える若者たちを集め、教育したという実績と誇り高き伝統があり,明治 年、片貝小学校設立に連なっている。また、古式に乗っ取り花火を鎮守様に奉納する祭りは、江戸時代から続いており、町民、同級生、同窓生の絆は、独自で堅箇なものがある。このような環境に育った子供たちは、町を出ても、故郷、母校への思い(明日に架ける教育、人づくり)には強いものがある。
   東京片貝会は、昭和57年、このような思いをより具現化するために、会員の圧倒的な賛同を得て、会の中に「母校を励ます会」を発足させた。この会の主な活動は、「片貝小学校、中学校への図書費の贈呈」「母校出身の先輩による教育講演会の開催」を二本柱として、その他必要に応じ支援活動を今日まで継続し、行ってきている。

2. 東京片貝会「母校を励ます会」の功績
 2-1. 片貝小学校、中学校への図書費の継続的な贈呈
  (1) 母校を励ます会基金
  母校を励ます会基金は、会員からの寄付金としており、金額は定めていない。会員からの真心を込められた1,000円単位の寄付金が多い。
  (2) 図書費の贈呈
  図書費は、年1回の東京片貝会の総会(6月)の席上に片貝小、中学校長が出席のもと、各学校へ10万円ずつ,特別に記念行事のある年には、20万円の贈呈がなされた。 
  (3) 贈呈継続年数
  昭和58年(第1回)〜平成18年(第25回):25年間継続
  (4) 基金協力者
  延協力者数 2,514名 (平成18年3月現在)
  (5) 累積贈呈金額:5,000,000円(平成18年3月現在)
  (6) 学校での展開
  小学校 「洋々文庫」として、管理、活用。
  中学校 「ラベルを添付」して、管理、活用。
   「添付資料―2」 東京片貝会報の記事から、生徒からのお便り、先生方からの礼状の抜粋。

    以上のような活動により、現在,県内小,中学校が図書費確保に苦心されている中、片貝小、中学校の図書室は非常に充実しており、他校から赴任された教員は一様に蔵書数の多さに驚いている。また、読書の好きな生徒が多いと思われ、小学生の作文コンクールでの入賞者数も多い。

2-2. 教育講演会
  (1) 講演会
   講演会は、年に1回(秋)に片貝中学校体育館で開催している。
   昭和57年11月第1回を開催以来、平成18年10月まで24回開催した。
   -(この間、1回のみ中学校創立50周年記念行事と重なり開催を見合わせた。)
  (2) 講演会聴講者
   ・小学校高学年児童と中学校生徒全員
   ・町内の有志の方々,及び父母
  (3) 講演者
   当初は、全会員の中から選出し,お願いしていたが、平成11年からは50歳の学年から推薦を頂き、現役の方の現状を踏まえての講演者としている。
     「添付資料―3」講演者とテーマ
     このような催しは、NHK・TV番組「ようこそ先輩」より先行して実施されている。生徒たちは、身近な母校の先輩がこんなに世の中で活躍しているんだと深い感銘を受け、自分自身の進路を考える良いきっかけとなっているようである。
講演中、生徒たちは私語一つ無く、熱心にメモをとっており、講演後、講師が立ち往生するような鋭い質問を活発に行なっている。また、感想文を書く宿題により、思考力、文章表現力訓練の場となっており、本行事が教育活動の一環として有効に活用されている。

3. 東京片貝会と米百俵
  以上本会の活動は地味なものではあるが,25年にもわたるその長い継続性に意義があり,教育による人材育成が何より大切であるとする“米百俵”表彰制度の精神にふさわしいものと信ずる。

4. 東京片貝会を「米百俵賞」に推薦する理由
  生徒の閉じこもり,誘拐,いじめ及びそれによる自殺等,本来あってはならない忌まわしい事故が続いている。これらを防ぎ,生徒の知育・体育を育てる本来の教育が健全な状況下で行われるためには,学校と家庭の協力のもと,地域社会の教育への参加が重要であることは言うまでも無い。
このような観点から,母校を励ます会の諸活動,郷里への強力な働きかけはまことにありがたいことである。講演会行事などは町民の参加も多く,中学同窓会挙げての行事になっており,過疎化の進みつつある本町の活性化にも寄与していると思われる。  
 以上の業績は「米百俵賞」値すると信じ推薦する次第である。 
     以上

新潟県小千谷市立片貝中学校
  校長 渡辺 清滋

東京片貝会ホームページ   会の活動状況、片貝関係記事など参照ください。

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