2010年の上映実現に向け、話し合う「佐平治の心を今の世に」 映画制作実行委員会=津南町文化センター
江戸時代末期の天保の大飢饉(ききん)で食糧援助を行い、秋山郷の住民を救った小千谷の造り酒屋佐藤佐平治を映画化しようと、津南町の町民を中心に取り組み動き出している。2010年の上映を目指し、2月には「佐平治の心を今の世に」制作実行委員会を設立。4月からは会員拡大や資金集めを本格的にスタートさせる。 佐藤家は、現在の小千谷市片貝町で酒造などを営んでいた地主。代々当主が佐平治を襲名した。19代と21代はそれぞれ江戸時代の天明、天保の大飢饉のときに、大規模な救援活動を行ったとされている。 映画化を目指しているのは21代佐平治。このときに救援資金を送ったのを機に1967年まで130年余にわたり、佐藤家から津南町結東に送金が続いていた。結東では毎年8月、功績をたたえる「佐平治祭り」が開かれている。 映画化は佐平治の精神を広めたいと、秋山郷の温泉観光施設「萌木の里」の山田龍一支配人らが長年温めていたアイデア。知人を通じて知り合った映画監督の岡村精(まこと)さんが共感し、活動が始まった。 制作実行委員会には津南町のほか、小千谷市や長野県栄村の住民も参加。活動は資金調達が中心で、総額2億4000万円が集まり次第、撮影に取りかかる。「簡単ではないが、ネットワークを広げながら、資金を集めていきたい。そこで生まれたつながりは地域おこしにも生きると思う」と山田さん。問い合わせは萌木の里、025(767)2000。 |