お礼の言葉  関 小千谷市長

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17年3月17日(木)PM1時からの杉並区議会での関広一小千谷市長の中越地震の際の杉並区の救援活動に対する感謝の挨拶文です。小千谷市の秘書課及び佐藤祐一会長の了解を得ております。当日は阿部前会長ほか7名計8名の東京片貝会の有志の方々が列席して下さいました。

 「お礼の言葉」 関広一 小千谷市長        杉並区議会  2005/3/17


ただいまご紹介をいただきました、小千谷市長の関でございます。
本日は、議会開催中の大切な時間を、今井議長さんのお計らいで高いところからではありますが、お礼を申し上げる機会を与えていただきました事は、望外の喜びであり、深く感謝を申し上げます。
今日は小千谷市民を代表し、杉並区民の皆様にお礼を申し上げたくお伺いいたしました。

思い出すまでも無く、昨年十月二十三日に当市を襲った地震は、一瞬にして自然も家もそして命までも奪いました。
市民は呆然として、なす術も無く一夜が過ぎました。二十四日の午後には高速道路も一般道路もいたるところで亀裂が走り、陥没が多数ある中、どうして辿り着かれたのか、杉並区の車両が救援物資を満載して、東京から第一便として職員十一名とともに到着されました。その翌日にの二十五日にも、カセットコンロ、水、保存食等を積んだ車十台が到着、その対応の早さに我々対策本部も驚きました。
その後も、物資、義捐金等が杉並区から続々と寄せられました。後ほどお聞きいたしましたら、商店会、各種団体、法人、個人等まさに全区民の皆様から支援の輪を広げていただいた事を知り、大変感謝いたしております。
しかも、大変ご多用の中、山田区長さんが副議長さんと共に激励にも駆けつけていただきました事は、小千谷市民の立ち上がる勇気と力を与えていただき、本当にありがとうございました。

さて、被害の状況につきまして若干ご報告申し上げます。詳しくはお手元に配布の印刷物をご覧いただきたいと思いますが、まず避難状況ですが、ピーク時には避難所は、百三十六ヶ所で、二万九千二百四十三人の市民が避難所生活を送りました。そのほか、自衛隊から用意いただきました、テントや自家用車に寝起きする人も多数おりました。
炊き出しは、同じくピーク時で四万二千六百八十食出た時もありますが、市の人口は約四万一千人ですから、人口より多くの配食が必要なのは何故かと不思議に思った時もありましたが、ボランティアの方々も居られたものと推察いたしました。
なお、全市民が被害者であると言う証拠は、家屋の被害状況をみますと、全家屋一万一千戸のうち全く被害の無かった家はわずか七戸にすぎません。全市民が被害者でした。
しかし、何よりも残念なのは尊い十二名の命が一瞬のうちに奪われた事であり、人の命に、軽い・重いはありませんが、三名の小学生がその中に含まれていたことは、市民の涙を誘いました。

現在、避難者は八百五十戸の仮設住宅に、六百六十九世帯が入居しております。さらに今冬は十九年ぶりの豪雪に見舞われ、住宅の屋根より高い雪の中に埋もれての暮らしであります。小学生三名が亡くなりました塩谷という部落は、今なお二・三メートルの積雪に覆われており、じっと春の来るのを待っている毎日であります。
私たち市民は、いまご報告申し上げましたように、生産地の田畑も家屋も産業現場も失いましたが、雪の中から立ち上がろうとしております。それは自分たちの生活再建が第一の目的でありますが、今一方の柱は、皆さんの善意に答えるためでもあります。
杉並区の皆様をはじめ、全国の仲間からまさに物心両面にわたるご支援をいただきました私たちは、この震災で多くのものを失いましたが、しかし得るものも多くありました。
それは、人間の持つ心の温かさであり、やさしさであります。小学生はお小遣いの中から、高齢者は年金の中から浄財をお寄せいただきました。
本当にありがたく、心打つ場面に出会いました。このご恩に報いるために私たちが今できることは、唯一自然を蘇らせ、立派なまちづくりをすることだと思っております。
私は常に市民に申し上げておりますが、「どんなに暗くて長い冬であっても、春の来ない冬はない。じっと耐え忍んでおれば花咲く春は必ず来る。」しかし、小千谷の春は待っていても訪れません。みんなで努力して一日でも早く、私たちの春を引き寄せるためにも、全員で頑張ろうと。

御地の井草の小千谷市の学生寮がある関係もありまして、古くから交流もあり昨年、五月十二日に「市制施行五十周年記念式典」の中で、山田区長さんと防災協定を締結させていただきました。しかし、それがこんなに早くお世話になろうとは、夢にも思いませんでした。本当にお世話になり、ありがとうございました。

私たちは、今小さな夢があります。それはささやかな夢かもしれませんが、ごく近い将来に自然が蘇り、生産活動がはじまった小千谷の地に、杉並区民の皆様をお招きし、錦鯉や闘牛、そして日本一の花火を鑑賞いただきたいと思います。
そして高円寺の阿波踊りに小千谷のプラカードを持って参加することができましたら、どんなに楽しい事かと。
その夢を叶えるためにも、小千谷市民は全力で立ち上がることをお誓い申し上げます。

山田区長さん、今井議長さんを先頭に区民憲章に謳われております、「共に安らぎ、心豊かに生きる平和のまちづくり」のために、力を結集いただき、杉並区が今後ますますご発展されることを願ってやみません。
常に言われておりますが、言葉の表現力が弱い私が、小千谷市民の感謝の気持ちを十分にお伝えすることができたかどうか不安ですが、重ねて申し上げます。
杉並区民の皆様、本当にありがとうございました。以上でお礼の言葉とさせていただきます。

 

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