2004年教育講演会報告

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2004.10.15 片貝での教育講演会の報告です。

  
教育講演会の報告

 

2004年10月15日 片貝中学校において教育講演会を開催しました。
講師は「薬剤師という職業を紹介するとともに、出来るだけ早く、明確な目標を持って進むこと」をこれからの進路を考えている生徒に示してくれました。
中学校も教育講演会を機会として、学校に対する敬愛の念、地域社会の一員として片貝町を愛する心、そして今後の自分の行き方を考えさせ、進路選択の一助とすることを明確に生徒に示し、事前の準備と講演後の作文作成など、有意義な講演会となるよう計画いただきました。
後日、生徒の講演を聞いての作文を紹介できる予定です。ご期待ください。

講師:山口正彦さん 23回卒業つぐみ会 エルメットエーザイ葛ホ務
演題:「わたしの歩んできた道、考えてきたこと」
聴講者:中学校全校生徒(160名)、小学校6年生(37名)、町民の皆さん(約20名)
来賓:片貝町協議会会長川上東陽さん、小千谷市議会議長吉原正幸さん、公民館館長相崎定夫さん、JA越後小千谷組合長友田明石さん、中学校PTA会長浅田功さん、その他
主催:東京片貝会 会長佐藤祐一さん、理事諸我時男さん、理事内藤冨美子さん、母校を励ます会会長本田秀幸
後援:中学校同窓会長浅田正平さん、中学校校長渡辺清滋さん、片貝小学校校長杉山淳一さん、中学校・小学校教員の皆さん

[講演概要]
・奥さんと子供5人の家族である事など自己紹介のあと、50年生きて感じてきたことを話すとして薬メーカーや薬についての講演が始まりました。
・薬剤師の紹介
毒にもなる薬の扱いを医者から分離するとして、ヨーロッパで始まった医薬分業で薬剤師の職業が始まった。法律で薬剤師は規定されており、病気や健康のため薬を専門的立場から管理などを行い、調剤、医薬品の供給、薬事衛生に従事している。薬剤師は医師の人数より少なく、勤務先は病院で15%、薬局で24%、企業で9.4%など。薬剤師になるには従来は全国48校ある薬科大学を卒業して受験資格を得ていたが、現在はさらに2年の大学院での対症経験などが必要となった。国家試験の合格率は75〜82%程度で昨年は8600人が合格した。
・小学校時代
実家は屋号「山助」、祖父母、父母、兄、姉の7人家族で店が忙しく祖母につれ回ってもらった。あまえっ子であったが、父母の過干渉もなく、それゆえにやさしい気持ちができ、素直な性格も良かったと思う。好き嫌いのない人が会社でうまくやれる。
4年生の時に薬剤師か弁護士になろうと考えていた。野球のイチローも幼い頃から野球選手になることを考えていたように、早いうちからなりたい目標を持って、それに向かって進学などの準備をする事が大切だと思う。
・中学校時代
バスケットボール部に所属した。12連勝中であったが同級部員は3名しかおらず、下級生とチームを組んで学校に泊り込みの練習もして、負けちゃいけないと頑張り、新人戦で優勝した。
同級は模擬試験で県3位(同級生90名の平均点)となり、長岡高校・長岡高専に9名も進学した。祖父の自宅での死を見て死に恐怖を覚え眠れなかったが、死んだ気になれば何でもできると気づいた。
・高校時代
初めて他地区の生徒と一緒になった。皆が明確な目標を持って勉強していた。
・大学時代
剣道部と薬物学教室に所属した。薬の生殖に及ぼす影響を研究としたが1年やって研究者には不向きである事を自覚し、エーザイに営業として入社した。
・薬について
紀元前2000年頃から薬が使われた。日本の薬の開発史のうちエーザイはアルツハイマー用薬を開発した。開発者は母のアルツハイマーを治したいと開発を行った。また、胃潰瘍用の薬パリエットを開発した。日本の死亡原因としての結核はS25年から減少し克服されてきたが、今は癌の克服が急務である。
新薬の生まれる確率は6000品目の内1品目であり、1品目の開発に費用150〜200億円と期間(基礎研究・動物・対人・申請審査を経て売出しまでに)10から18年もかかる。一生に1つの新薬を開発出来る事は稀であるが、幸運にも高血圧の薬を開発でき、今も販売している。
新薬(先発品)に対し特許期限切れての後発品がある。後発品は申請審査が容易であり安く製造できる。
・エーザイ鰍ヘ日本で武田製薬、三共製薬、山之内製薬に次いで4位の売上にあるが、世界では大きな会社が多くあり武田薬品でも15位である。エーザイの売上は半分が海外での売上となっている。
・エーザイ時代
医者は痴呆など話も通じない人をも毎日相手にして仕事をしており可哀想だと思う。営業として医者の先生と話せるよう勉強をした。また、先輩に勝てるように考えた。良い事をまねる事は悪い事ではなく学ぶ事である。高齢者の介護施設の研修で戸惑っている時、同僚の明るい挨拶を受けて、挨拶の重要性に気づいた。

[講演後生徒からの質問]
・何故薬剤師になったか?→実家が薬屋であり、身近に薬剤師がいた。
・いつころから長岡高校に行くと決めたか?→中学2年生頃、バスケの先輩が進学していた。
・薬剤師に向く人は?→調剤で人が死ぬ事もあるので、性格的にはうっかりミスのない人。

なお、片貝中学校では3年生のテーマとして「少子化」が取り上げられており、原因と対策案をレポートしているとのこと。大人の気づかないすばらしい案が出るといいですね。

 

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